新刊:塩原良和『分断と対話の社会学』(慶応義塾大学出版会)

分断と対話の社会学:グローバル社会を生きるための想像力

分断と対話の社会学:グローバル社会を生きるための想像力


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分断と対話の社会学
グローバル社会を生きるための想像力

目次

はじめに オルタナティブの模索

第1章 グローバル社会と想像力
 1. 共感と想像力 / 2. 社会学的想像力と歴史的想像力 / 3. 批判的想像力 /
 4. 対話と想像力 / 5. ナショナルな想像力の限界を越える / 6. 社会階層と想
 像力への制約 / 7. リアリティの分断とスティグマ

第2章 グローバリゼーションのメタファー
 1. 「流れ」「渦」「沈殿物」 / 2. 「抗う」「乗りこなす」「流される」 / 3. 「庭」「荒海」
 「吹き溜まり」

第3章 移動すること(モビリティ)について
 1. 物理的移動――移住者・定住者・越境者 / 2. 象徴的な移動――階層移動と
 ライフコース/ステージ / 3. 社会・文化的条件としてのモビリティ――コスモポリ
 タニズムと分断 / 4. システムの標準化とモビリティの加速

第4章 トランスナショナルな想像力へのレッスン
 1. 「はやぶさ」の終焉の地から / 2. 「放浪者」と例外としての抑留施設 / 3. もう
 ひとつの例外――歓待される「旅行者」たち / 4. 「留まり続けること」の主体性 /
 5. 方法論から規範へ――他者からの呼びかけに応える

第5章 「スピード感」と加速する資本主義
 1. グローバリズムと時間短縮=効率化への欲望 / 2. 「ゆとり」と福祉国家
 3. 「居場所」とコミュニティ / 4. 「つながり」の二面性 / 5. 「スピード感」ある
 「改革」とデモクラシーの危機

第6章 惨事と政治
 1. 世界リスク社会と個人化 / 2. 「ピンチはチャンス」? / 3. 災害ユートピア? /
 4. 「焦り」の活用 / 5. 「間」とサバルタン性 / 6. 「喪」とケア

第7章 ネイションとナショナリズム
 1. 思想・帰属意識・身体感覚 / 2. ネイションの起源――近代主義エスノ・シンボリ
 ズム / 3. シビックナショナリズムエスニック・ナショナリズム / 4. 「熱い」ナショナ
 リズムと「冷たい」ナショナリズム

第8章 グローバル時代のナショナリズム
 1. パラノイアナショナリズム / 2. 福祉ショーヴィニズム――「国を愛すること」と「国
 に愛されること」 / 3. リベラル・ナショナリズムとその限界 / 4. 「国益」をめぐるポリ
 ティクス / 5. テロリズムナショナリズム

第9章 ヘイトスピーチと差別
 1. ヘイトスピーチを黙認する「空気」 / 2. 構造化され身体化されるレイシズム
 3. 「甘え」を言い訳にした共感拒否 / 4. 勘違いの共感と反動としての反感 /
 5. 逆差別について / 6. ヘイトスピーチへの法規制と「出会い直し」

第10章 共生と対話
 1. ある場所で出会うこととしての共生/共棲 / 2. 統合と管理の論理 / 3. 選別と分
 断の論理 / 4. 「聴くこと」から始まる対話 / 5. 世界に注意深くあること

おわりに 対話主義者たちへの覚書
 1. 「中立」という暴力 / 2. 対話主義者が敗北するとき / 3. 思いやりと、ずるがしこさ /4. 対案と対話 / 5. 「きっかけ」と「なりゆき」

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■いただきもの。
■著者については、以下参照。
http://www.law.keio.ac.jp/staff/staff_politics/shiobara_yoshikazu.html
http://k-ris.keio.ac.jp/Profiles/186/0018502/profile.html
http://www.clb.mita.keio.ac.jp/law/shiobara_seminar/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E5%8E%9F%E8%89%AF%E5%92%8C
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/9921/
https://shiobaraseminar.jimdo.com/




■学部生のテキストとしては少々高級な印象で、おそらく各地の大学の修士課程(博士課程前期)在籍の大学院生が修士論文のテーマを確定するまえに一読しておくための文献という感じか。
■参考文献を全部しっかりめをとおし理解するなら、もはやダメダメな修士論文などできあがりようがないとおもう(到底ダメと挫折してしまうおそれは相当あるが)。
■大学教員にとっても、学期準備のために、自分をリセットしてみるのがよかろう。

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■ちなみに、第5章は、『加速化依存症』(2014年)と問題意識の一部がかさなる。

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