琉神マブヤー私見(あえて、おおまじめに)
琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ(初回限定生産版) [DVD]
- 作者: 特撮(映像)
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2012/06/20
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琉神マブヤーは、「外伝」をみていないので、あくまで、テレビ版(初版)と映画版にかぎってだが、マジムンの位置づけは微妙な気がする。
単純にかんがえるなら、マジムン(魔物)は生態系の象徴=擬人化というほかない。では、自然破壊によって、動植物をくるしめる人間、マジムンたちが標的とする存在とは、ヤマトの官僚やゼネコン関係者なのか? 土建金融資本主義にそまった、保守政治家や経営者たちか? マジムンたちが、ウチナーンチュ(宮古・八重山ほかは、わからない)の マブイ(たましい)をうばい、破滅させようと攻撃をくりかえすかのを すなおにみるなら、政官財のエリート層ではなくて、普通の生活者なんだとおもう。
テレビ版も映画版も、最後は、マブヤーらによって マジムンたちは感謝され(ウチナーンチュが 無自覚に わすれかけていた 大切な価値を おもいだせたから)、また いかりを しずめられて、自然界へとかえっていく。マジムンたちによって、マブヤーたちは、自然破壊をくりかえす人間への反省をせまられる。いわば、啓発の使徒なのだ。
では、マブヤーたちは、なにをまもるために、なにとたたかったのか? すくなくとも、マジムンたちと あらそうのは、根本的に まちがっていたというほかない。マジムンたちの攻撃目的は 生態系の復旧であり、近代以前の ウチナーンチュたちの くらしぶりを おもいだせば、攻撃をうけることはなかったのだから。
映画版では、近代以前でも、マジムンたちが ひとびとをくるしめ、そのたび、マブヤーが マジムン退治に登場するシーンがでてくる。マジムンの いかりが、生態系破壊をひきおこす人間の行動であるなら、これはありえまい。
テレビ版も映画版も、コドモむけに 沖縄的価値(歴史文化)をつたえたいという意思がみてとれる。しかし、この作品群は、オトナたちにとって、単なるコドモむけの 啓発的 おとぎばなしなのか?
テレビ版には、反戦平和運動がでてくる。すくなくとも、そこには、生態系破壊に鈍感になったウチナーンチュの背後に、単なる資本主義的生活様式だけではなく、米軍とそれに依存する日本人が すけてみえる気がする。