沖縄戦後とPTSD

NHKETV特集
2012年8月12日(日) 夜10時
2012年8月19日(日) 午前0時50分 再放送
沖縄戦 心の傷〜戦後67年 初の大規模調査〜
沖縄県民の4人に1人が犠牲となった地上戦から67年。いま沖縄県内各地で、戦争で生き残った高齢者に対し、「精神状態の聞き取り調査」が行われています。
調査のきっかけは、高齢者の間で、原因不明の「身体の痛み」や「不眠」を訴える人が増えてきたこと。みな地上戦の体験者であることから、「遅発性のPTSD(戦争トラウマによるストレス障害)ではないか」と考える医師や研究者もいます。
なぜ、67年前の戦争で受けた心の傷が、今になってよみがえるのか――その背景には、沖縄で、一般住民を巻き込んだ大規模な「地上戦」が行われたこと。そして、その地上戦から端を発する「基地との隣り合わせの戦後の生活」が影響していたことが、調査を進めるうちに見えてきました。……
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0812.html



沖縄戦でPTSD 50症例報告
沖縄タイムス』2011年10月9日 09時51分
 沖縄協同病院心療内科の蟻塚(ありつか)亮二医師(64)が8日、那覇市内であった沖縄10・10大空襲・砲弾等被害者の会定期総会で発言し、1月から9月までに同医師が診察した患者約50人に、戦争体験に伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状があったことを明らかにした。戦争PTSDの調査研究は全国的にも少ないのが現状で「沖縄には原因が分からないまま、別の病気や個人の問題として片付けられ苦しんでいる患者が多いはずだ。診断指標を増やし、戦争PTSDへの周囲の理解を深めることが重要」と強調し、戦争による精神的被害の実態解明を促した。
 蟻塚医師によると昨年12月、原因不明の不眠を訴えるお年寄りが沖縄協同、中部協同の2病院へ立て続けに来院。同時期に米国の研究論文で読んだ、ナチスによる大量虐殺から逃れた人の精神症状と酷似していたこともあり、戦争PTSDに焦点を当てるようになった。
……
 蟻塚医師は加齢や家族の死などをきっかけに、PTSDの症状が出るケースがあることも紹介した。
 1966年の県の精神衛生調査で、沖縄は本土平均に比べ統合失調症の有病率が3・6倍あったことを挙げ「戦争の影響と考えるのが自然」と指摘した。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2011-10-09_24480



沖縄戦PTSD、時を経て発現 蟻塚医師、特徴を説明
琉球新報』2011年11月6日
 胎児も含めた各世代での沖縄戦体験が後の統合失調症やうつ、不眠を引き起こす晩発性の心的外傷性精神障害(PTSD)の実態が、沖縄協同病院の心療内科医、蟻塚(ありつか)亮二さんによる「沖縄戦PTSD」の研究で明らかになった。戦後の医療崩壊の中でほとんど行われなかった沖縄戦体験者の心の被害検証と治癒。蟻塚さんは「戦後66年間、体験者やその家族は、心の傷は開いたまま孤立させられてきた」と指摘する。蟻塚さんは5日、那覇市のJAおきなわ真和志支店で開かれた市民公開講座沖縄戦の心の傷を追って」(沖縄戦・精神保健研究会主催)で報告した。
 沖縄戦・精神保健研究会の代表、蟻塚さんは沖縄戦PTSDの臨床例として、5歳の時に戦場で母と死別したことが原因とみられる70代男性の不眠、14歳の時に戦場で死体を踏みながら逃げたことが原因とみられる80代女性の原因不明の足裏の灼熱(しゃくねつ)感などを紹介。心のケアの態勢が整う現在と違い「沖縄戦では何もしてこなかった。外国の占領下に置かれた特殊性も考えなくてはならない」と話した。
 沖縄戦PTSDの特徴として(1)暴力的な死別の多さによる強い悲嘆(2)生活の場の喪失による「根こそぎうつ病」的体験(3)不眠やパニック障害(4)日本軍による人格侮辱と破壊(5)養育貧困などを通じた世代間伝達―などを挙げた。
 戦時に家族の死亡や死体を目撃し、70歳前後になって不眠が発現する事例が多く、近親者の死による誘発も指摘する。……
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-183743-storytopic-1.html





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