新刊:増井典夫『近世後期語・明治時代語論考』(和泉書院)

いただきもの。

増井典夫さん(愛知淑徳大学文学部/文学研究科)の新刊
『近世後期語・明治時代語論考』(和泉書院


版元から
「本書は著者のこれまでの業績をまとめたものである。その内容は、第一部 近代語における形容詞 にはじまり、第二部 近世後期語、第三部 明治時代語、第四部 近世後期上方語から関西方言とつづく。第一部では「えらい」や「まぶしい」の出自、「えらい大きい」などの「終止連体形の副詞的用法」に関する論考、第四部では近代語としての「トル・ヨル」及び「テル・チヨル」に関する論考など注目すべきものがある。一方第二部及び第三部は近代日本語研究上の基本文献となりうる論考が続く。」

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目次
はじめに
第一部 近代語における形容詞の研究―意味・用法を中心に―
  第一章 形容詞「えらい」の出自と意味の変遷
  第二章 形容詞終止連体形の副詞的用法―「えらい」「おそろしい」を心に―
  第三章 江戸語における形容詞「いかい」とその衰退について
  第四章 近世後期における形容詞「きつい」の意味・用法とその勢力について
  第五章 形容詞「えらい」の勢力拡大過程―近世にみる新語の普及と定着―
  第六章 形容詞「まぶしい」の出自について―「マボソイ」→「マボシイ」→「マブシイ」―
第二部 近世後期語研究―資料性の問題を中心に― 
  第一章 洒落本とは
  第二章 江戸語資料としての十九世紀洒落本について―「きつい」「ゑらい」「いかい」等の語を見ながら―
      一、「滑稽本の時代」の洒落本の資料性
      二、十九世紀初頭江戸洒落本の資料性
      三、江戸末期洒落本の資料性
  第三章 近世後期上方語研究の課題―近世後期名古屋方言を視野において― 
  第四章 形容詞「えらい」「どえらい」から見る近世後期上方語と名古屋方言
第三部 明治時代語研究―資料性の問題を中心に― 
  第一章 近代語資料における校訂の問題と資料性をめぐって―坪内逍遥『一読三歎当世書生気質』の場合― 
  第二章 近代語資料における校訂について―坪内逍遥小説神髄』の場合を中心に―
  第三章 『一読三歎当世書生気質』に現れる語について
  第四章 『明治文学全集』における校訂の問題について―山田美妙「武蔵野」を中心に―
  第五章 明治期口語研究の新展開に向けて―標準語と保科孝一、そして「トル・ヨル」―
  第六章 尾崎紅葉における形容語での「可」の用字について 
      一、『金色夜叉』『多情多恨』の場合
      二、初期作品を中心に
  第七章 近代語資料としての「真景累ヶ淵」「緑林門松竹」
第四部  近世後期上方語から近代関西方言へ 
  第一章 近世後期上方語における“ちやつた”について
  第二章 近世後期上方語における“ちやつた”の扱いについて
  第三章 近代語における「トル」と「ヨル」について
  第四章 近世後期上方語におけるテルをめぐって
  第五章 近世後期上方資料に見られるテルとチヨルについて
おわりに

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【一部、ウェブ上でよめる初出論文のPDF】
「近世後期上方語と名古屋方言をめぐって」
http://aska-r.aasa.ac.jp/dspace/bitstream/10638/1789/1/0005-024-200103-043-057.pdf

「近世後期上方語研究の課題 : 近世後期名古屋方言を視野において」
http://aska-r.aasa.ac.jp/dspace/bitstream/10638/4296/1/0002-035-199402-047-064.pdf

「近世後期上方語におけるテルをめぐっ て」
http://aska-r.aasa.ac.jp/dspace/bitstream/10638/664/1/0021-034-200903-(025)-(035).pdf


近世後期語・明治時代語論考 (研究叢書)

近世後期語・明治時代語論考 (研究叢書)

http://d.hatena.ne.jp/asin/4757606346