学校給食の歴史的検証のための準備メモ - MASIKOの日記（ましこ・ひでのり）

▲学校給食の世界の動向にはうといが、すくなくとも、戦後日本の公教育、特に公立小中学校のなかで、無視できない要素だとおもわれる。ほか、クラブ活動／清掃作業／運動会等年間イベントなどとくらべても（以前、話題にしたPTAも無視できないが）。
▲歴史的にかんがたとき、学校給食の標準的構成（メニュー／質（あじ／栄養）／量／配膳方法／調理-調達方法）の実態があきらかにされるだけでなく、経緯も詳細に再現されるべきだ。▲たとえば、コムギが、日系アメリカ人が中心となったララ（LARA; Licensed Agencies for Relief in Asia：アジア救済公認団体）が提供したものをもとに、学校のパン食になっていることは、重要な事実。その後のパン食も、日本のコムギがつかわれているわけではなく、基本的に輸入品だ。▲しかも、アメリカ政府は民間団体が自発的におこなった救援を、あたかも自分たちがほどこしたかのような情報操作をおこなって、ニセの恩をきせた。▲ヨーロッパの農業が復興することで、欧州むけ農産物が過剰生産となった時点の、つぎの「市場」として、食文化を抜本的にくみかえる戦略がくまれて、学校給食が利用されたわけだが、「ララ物資」は、そのキャンペーンに利用されたことになる（ララ物資は1952年で終了し、1954年に学校給食法が施行される）。
▲どうみても、酪農関係者の利権がからんでいるとしかおもえない牛乳の強要であるとか（文科省は、この期におよんで、強制ではないと回答しているようだが）、アレルギーによるショック死の問題であるとか、15分しか昼食時間がないために給食など到底導入できない自治体（横浜市など）があるとか、最近はなくなったようだが、完食を強要する教師がいたとか、学校給食の今後のありようをかんがえるうえで、基礎研究がかかせないとおもう。
▲「食育」などと、各省庁や業界団体が、パターナリズムよろしく、利権化しようという近年の策動も、ふくめて、教育社会学者を軸とした科研をとるとか（文科省はイヤがるだろうが）、うごくべき時期がきたとおもう。

〇ララ物資
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%A9%E7%89%A9%E8%B3%87
「南北アメリカ大陸在住の日系人が寄附の中心であったが、日本国内での物資配付にあたっては連合国軍最高司令官総司令部の意向により日系人の関与について秘匿され、アメリカからの援助物資として配付された。」

〇学校給食法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%B5%A6%E9%A3%9F%E6%B3%95

〇日本の学校給食
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%B5%A6%E9%A3%9F

〇学校給食
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%A6%E9%A3%9F#.E5.AD.A6.E6.A0.A1.E7.B5.A6.E9.A3.9F

【関係文献／サイト】
高嶋光雪『アメリカ小麦戦略―日本侵攻』(1979年，家の光協会)
鈴木猛夫『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』 (2003年，藤原書店）

食の歴史を学ぶ：「日本侵攻　アメリカ小麦戦略」ー（２）日本人の胃袋を変えた男たち
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/5a9da071c8918f6c65ba12d537e7c301

日本の学校給食の背景とアメリカの小麦輸出作戦ー学校給食は和食を学び実践する場にすべきだ
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/09210b57204a9ae4fc4cbe72cd5cab3b

学校給食を考えるー３．牛乳は強制ではない
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/1f5cb34130b8086534465798438c8bb8

学校給食を考えるー２．米飯給食は週４回、５回が当然である
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/0c75f1c68d57fa8f723badb2e90f2591

学校給食を考えるー１．給食費の滞納問題
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/ba164ee28bdc35e328f9fd91ddc62365

学校給食と子どもの健康を考える会
http://www8.ocn.ne.jp/~f-and-h/kyusyoku/

懐かしい「昭和の学校給食」（時事ドットコム）
http://www.jiji.com/jc/v?p=kyushoku_s30