孫崎享『戦後史の正体』(創元社)

末浪靖司『対米従属の正体』について「ことし よんだなかで 最重要の 文書となるはずの 力作」と紹介しておいた(http://d.hatena.ne.jp/MASIKO/20120704/1341350605)が、この本は、外交官という、まさに体制内にいた人物による戦後体制批判という意味で、すごい作品。
 辺野古オスプレイへの反発をうけて、沖縄の保守派(政官財)の大勢は、米軍基地ばなれを選択しつつある。日米両政府も、現地の意向を無視して強行することは困難になりつつある。これには、東日本大震災による福島第一原発の大事故の余波も影響しているとおもわれる。
 末浪靖司『対米従属の正体』のような、反体制派からの戦後批判ではなく、体制内部にいた人物が、こういった「暴露」に転ずる。これは、外務省関係者の日米密約暴露をひきつぐ動向であり、あきらかに あたらしい関係が誕生していることの象徴といえそうだ。


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

http://www.sogensha.co.jp/pdf/preview_sengoshi.pdf
http://www.asyura2.com/12/senkyo134/msg/699.html
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