佐野直子『社会言語学のまなざし』(三元社)
- 作者: 佐野直子
- 出版社/メーカー: 三元社
- 発売日: 2015/06/04
- メディア: 単行本
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http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/さまざまな「話すという事実」において、何がおきているのか。──
「社会言語学のまなざし」には、実際にことばを使っている「話者」のありかたと、その「ことば」が実際に使われているそれぞれの「社会」のありかたが、つねに含まれている。ことばが使われる現場とそこにいる「話者」を徹底してまなざし、そこにあらわれる「ことば」の多様な姿を、多様な形で記述することで見えてくるものとは。
定価=本体 1,600円+税
2015年6月10日/B6判並製/184頁/ISBN978-4-88303-384-3
[目次]
はじめに iii
1. 社会言語学のまなざし 1
まなざし① ことばの「多様さ」に目を向ける 2
ある論文のタイトル 2
ことばの指標性 5
まなざし② ことばの「変化」に目を向ける 7
さまざまな言語研究における、ことばの「変化」への態度 7
ことばが変わるのではなく、ことばを変える 11
まなざし③ 「みずからことばを選択する人びと」という話者モデル 14
ことばの「不自由さ」 14
「母語話者」というモデル 16
「選択する話者」モデル 20
選択のルールと話者 21
社会言語学者という「選択する話者」 23
まなざし④ 「多言語社会」という社会モデル 24
身近な「多言語社会」 24
「言語」記述の多層性 27
言語によって分割されない社会、社会によって分割されない言語 29
「破片」としての言語 31
「まなざし」だけはもっている社会言語学 33
2. 社会言語学という「枠組み」 37
枠組み① 言語と方言 37
「方言」へのまなざし 40
「標準語」と「方言」――「言語」の政治性 45
「言語」「方言」という枠組みによるまなざしの違い 48
「言語」であることの威信と主張 51
枠組み② さまざまなことばの「変異」――変異社会言語学 54
「ところ」だけではないことばの多様性 54
変異社会言語学の誕生56
変異社会言語学の調査法 58
言語変化と変異社会言語学 66
変異社会言語学の限界 68
「言語」と「社会」を切りはなすまなざし? 71
枠組み③ 談話・発話――相手や場面ごとに異なる話しかた 76
スタイル・レジスター・ドメイン 76
「誰と」話すのか、そしてその周囲 79
話すための配慮と戦略――ポライトネス 82
「発話事象」「談話」「会話」研究の枠組み 85
3. 社会言語学の「知の回路」 93
回路① 「ひとつの言語」を作りだす 94
「言語は計画できるのか?」という問い――ナショナリズムと言語 94
国家事業としての「言語計画」 97
「言語計画」から「こと活」へ?――「言語政策」の射程 103
「言語政策」の多言語性 111
回路② ダイグロシアとバイリンガリズム――「多言語社会」における言語使用 113
ダイグロシアの「発見」 113
ダイグロシアを打ちやぶる 117
バイリンガルとは誰か、バイリンガリズムとは何か 122
社会のバイリンガリズム 124
「バイリンガル」の種類とその測定 126
足し算のバイリンガル、引き算のバイリンガル 130
バイリンガルの言語行動――混淆する「言語」 134
バイリンガルをおそれるのは誰か 138
言語の混淆の「文法」 139
回路③ グローバル化と多言語社会――多様なことばのありかたへ 142
ことばを数えはじめること 142
言語のエコロジー 144
多言語のエコノミー――言語の市場化、階層化、言語帝国主義 145
英語帝国主義とそのまなざし 149
「消滅の危機に瀕する言語」の問題とは何か 151
「ことばを使う権利」を問う 155
回路④ おわりに――社会言語学の「知の回路」とは 160
4. 知の枠組みと回路のための11冊 163
知の枠組みのための6冊 163
知の回路のための5冊 165
あとがき 169384.htm